一般社団法人 地域社会継続研究所 Community Emergency Management Institute Japan (CEMIJ) 

一般社団法人 地域社会継続研究所は、2012年12月に登記、新設された公益を目的とする団体です。災害に強いまちづくりのために、内外で災害対応に関する研究や実践活動を行います。特に、市民と大学や行政との協力、また、地域における共助を通じた災害対応について、今後提案やアイディアを国際協力活動などを通じて広く普及します。海外のパートナー団体や支部とネットワークし、世界の英知を共有します。本ブログはCEMIJ活動を広報するものです。 事務局:375-0012 群馬県藤岡市下戸塚374-1 代表理事 中山 友紀(090-1790-1841)emergency_management360@cemij.org    / communityemergencymanagement@gmail.com

ドイツを訪問したメンバーからの報告:ドイツの救急隊

ドイツのブレーメンという市(ブレーメンの人口は約547,340人)を訪問しましたので、情報のシェアを目的に簡単に報告します。実際にドイツの救命士や看護師の方々から直接お話しを聞くことができ、緊急対応の大体の仕組みが分かりました。
 
今般訪問した救急隊を保有する病院は、心疾患、婦人科、小児科、外科の傷病者を受け入れ、特に心疾患を中心に扱っているもので、それぞれの病院で専門としている分野があるようです。救急隊も疾患別で搬送先を決めるとのことです。

ブレーメンでは、4つの組織によって救急隊とその救急システムが運営されいます。消防救急隊、ドイツ赤十字、Malteser、 ASBarbeiter-samariter-bund)がそれぞれ救急活動を実施している言えます。つまり、官民協働で現場での院外救命活動(プレホスピタルケア)が実施されているということになります。
 
救急管理セントラルセンターは、地域の救急隊活動を統括する機能があります。ブレーメンのセンターは、近隣にある町より規模は大きく、112(日本の119の相当)番通報を同センターが受け、傷病者に直近の救急隊へ出場指令を発出し、現場へ進行させます。救急隊には救命士さん2名が常務します。救命士さんのみで対応が困難である場合は、救命士さんがセンターに対しドクターカーを要請します。ドクターカーは医師1名、救命士1名で出動するとのことです。ドクターカーには、病院所属と消防署所属の2形態があるそうです。応援要請があった場合で消防署のドクターカーは、救命士さんがドクターを担当病院でピックアップし現場へ進行するそうです。

病院所属の救命士さんもそれぞれ決められた待機場所があり、要請があるまで待機しているとのことでした。看護師が救急隊員として常務することはないようです。救命士さんと看護師さんの役割は違い、途上国などで良く見かける看護師さんが救急隊員として活動することはなく、別の医療関係の資格と言えます。看護師は病院でのインホスピタルケアに係る業務を、そして救命士さんはあくまでもプレホスピタルケアを専任とする救急隊での活動が中心です。消防署所属の救命士さんは消防士としても兼務します。火災などの災害があれば、消防士としても、現場へ出動するとのことでした。
 
ブレーメンの出動件数は年間約65,000件(2011年)とのことでした。市内には、25台の救急車があり、どの救急車も外観は所属する組織によって違いますが、車両内部に装備されている資機材などは大枠同じでした。ドクターカーは、5台あるとのことです。ドクターカーの要請は、1日だいたい10~12件程度あるそうです。医療用の搬送ヘリコプターは2機。私が見学させていただいた病院に1機、空港に1機配置されていました。ヘリコプターは、ブレーメン地区に限らず、基地から半径50キロメートルまでをプライマリーの担当範囲としているそうです。ドクターヘリは、医師1名、救命士1名、操縦士1名の3名編成で運用されていました。
 
(写真の説明)
ドクターカーには、ドクター専用の薬剤が別途搭載されていることが一般の救急車との違いであり、他の一般救急隊と殆ど同等なる資機材を搭載しているようです。小型の冷蔵庫も設置されていました。救急車内は、広くスペースが確保されており、一見殆ど資器材が搭載されていないように見えますが、棚や冷蔵庫などが設置されており上手にその中に収納されている状態でした。固定用のバックボードや携帯用の救急セットなどは、救急車外からアクセスして取り出せる状態で収納されています。

私の個人的な雑感ですが、ドイツでは(ブレーメンの視察に限る)男性看護師・女性医師も比較的多く、医師も看護師も救命士も相互で「同僚」と呼び合うなど、各自がプロとして平等な立場で仕事ができる、和やかな環境もあった思います。外部者の私も、彼らの同僚として受け入れられ、12誘導のEKG操作やギプス作製の補助に入ったりと実習生のような不思議な立場を与えたら状況でした。それぞれが自分の責任ある仕事を担当していますが、チームとして動いていると感じました。(By:K)
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ドクターカー

フィリピン国緊急車両安全運行マネージメント・プログラム Emergency Vehicle Safety & Management (EVSM) Program in Bacolod, Philippines

Driving an emergency vehicle does require a special attention to safety of everyone and care 
of equipment we use on daily basis. CEMIJ conducted a short but intensive EVSM program in collaboration with the Amity Public Safety Academy in 
Bacolod city in 
October 2012
. The training program
was 
designed to provide (1) concept of an emergency vehicle safety operations, 
(2) emergency 
defensive driving techniques
, and (3) emergency vehicle
maintenance and management.
 We focused on an ambulance operation safety which 
usually requires more comfortable but prompt transportation
of a critical patient. We tend to consider a speed as an important determinant 
for patient's survival but we also need to carefully examine
the way a patient is transported such as excess vibration and roughness of 
ambulance movement in general. C EMIJ dispatched 2 experts to
conduct the training and the Amity Public Safety Academy provided 2 instructors
to implement a team-teaching style theory overview and practices.
Lecture 1201210月に、CEMIJメンバーとバコロド市にあるAmity Public Safety Academy(公共の安全に係る職員のための複合的訓練アカデミー)の共同で、緊急車両の安全運行と車両保守管理に関する短期集中型の訓練を実施しました。2名のCEMIJメンバーが専門家として参加し、現地アカデミーからはFEMAでの訓練を有するアカデミー教官と他の指導員の計4名でチームティーチング法を使って、座学と実技訓練をしました。
(写真:CEMIJメンバーによる講義)

途上国では、特に緊急車両の運行においてスピーディさを重要視する傾向があり、CEMIJメンバーが活動する他の国々でも同様ですが、緊急車両が事故を起こすと言った課題が頻繁に発生している事実があります。人々の生命と財産を守る活動を迅速に実施するために、急いで現場へ行く思考は理解ができますが、臨場途上で緊急車両が事故を起こしてしまえば、結局人々の生命や財産を守ることもできません。今般は特に、長距離でしかも悪路を走行する傾向が高い救急自動車にフォーカスを置き、(1)緊急車両安全運行の原論、(2)安全運行に必要なテクニック、(3)車両の保守管理手法などの訓練を行いました。また、救急車走行中に発生する患者さんに及ぶ振動がどの程度発生するのかなどを特殊機器を用いて計測するなど、科学的に振動について理解する努力も行われました。
lec 7
参加者は、保健省地方局救急担当者、内務省火災制御局消防官、バコロド市アミティ消防団幹部など13名でした。この訓練は、3回を1クールとして実施し、最終的に指導員を養成します。同訓練活動にご興味がある方、もしくは指導員としてボランティアにて協力できる有志は、お気軽にご連絡ください。担当メンバーメールアドレス:mendocino360@yahoo.co.jp
(写真:誘導レッスン)

Lec 6(写真:走行訓練後の評価 post-driving lesson evaluation







Lec 8


(写真:第1部修了証授与 certificate giving out)

Presentation at the Amity Volunteer Fire Brigade (Lessons from the Great East Japan Earthquake of 3/11)バコロド市消防団における東日本大震災で学んだ苦い経験をシェア

Many of the CEMIJ members had responded to the devastating earthquake, followed by the Tsunami on March 11, 2011 in Japan. As part of sharing information activities of emergency management approaches, a presentation was provided at the Amity Volunteer Fire Brigade in Feb. 2012 in Bacolod City, Philippines. The presentation covered the bitter lessons learned from actual responses made by our members in the 3/11 Tsunami, and discussed regarding the role that community members should play in helping each other in the first 72 hours of an impact until a formal support arrvies.

私たちの団体のメンバーは、2011年3月11日発生した東日本大震災において、各所属する機関や団体そして個人としてさまざまな協力活動を実施してきました。それらの現場経験から得た苦い経験や学んだことを、世界の連携団体とシェアするため、2012年2月にフィリピン国ネグロス島で発生した地震災害での調査実施中に、地域の防災リーダーであるバコロド市消防団メンバーに対して、プレゼンテーションを実施しました。そこでは、地震の後に発生した津波がどのような破壊力を持っていたのか、公助として実施された活動の内容や災害発生直後72時間程度の間での住民同士の共助などについて報告をしました。

ネグロス島は日本と同様海で囲まれており、2012年2月に発生した地震では、若干であるものの津波が発生しました。被災された人々にインタビューを実施した際、「日本で発生した津波のニュースを昨年見たからこそ、地震発生後すぐに高台へ上がった。」という声を沢山聞きました。

今後も、CEMIJは連携する団体やその地域に住む住民グループなどへも、東日本大震災で得た苦い経験を伝授し、それらの情報を地域防災・減災や地域社会継続に役立ててもらうよう継続して世界で活動します。

(写真: CEMIJメンバーによる震災対応に関する情報シェアの模様)
Short seesion at Bacolod city, Philipines Feb 2012

Earthquake of the Negros Island, Philippines フィリピン国ネグロス島地震災害に関する調査

On February 6, 2012, Magnitude 6.9 earthquake occurred at the south eastern part of Negros Island, Philippines and brought structural damages in the area of sea shore and number of landslides in its vicinity approximately 34 km stretch of north to south. 56 people were confirmed deceased and 42 people were missing at the time of an author’s visit in February 24, 2012. Descriptive study was conducted by the member of CEMIJ through series of interviews, site visits and participation in the relief operations administered by the Amity Volunteer Fire Brigade of Bacolod City, in Negros Island and literature review. The report will be produced that focuses on describing the functionality of an incident command system (ICS) utilized by the first responders and relief operators at one of the severely affected areas, Guihulngan City as well as its implication for effective primary response operations in the disaster such as one in the Japanese 3/11.


201226日午前1149分、フィリピン国ネグロス島Negros Oriental県でマグネチュード6.9の地震が発生(USGS 2012)し、特に島の南東沿岸部おおよそ南北34kmに渡り建物や橋、病院を含む社会インフラの倒壊、地すべりや電気、飲料水供給の停止などライフラインを含む被害が発生しました(Amity Vol. Fire Brigade 2012)。比国政府は、災害時における即応諸行動の総合調整を行うNational Disaster Risk Reduction and Management Council[1](以下「NDRRMC」)や市町村役場を介し、地震発生後の午後1231分までには避難指示を伴わない津波警報を発令しました。Negros Oriental県やCebu島西岸部では若干なるも海面の上昇が確認されました(NDRRMC 2012)

CEMIJでは、現地にメンバーを2012年2月20日から7日間派遣して、比国地方の発災直後における初動対応行動と救援活動を統括する
Incident Commandがどのように実施されたかを以下の2点について即断的に調査しました。(1)発展途上国とは言え、火山噴火やサイクロンを含む自然災害多発国である比国では、初動対応行動の効率化を目的とした国際的にも認知され欧米諸国では災害時常用されている「Incident Command System (ICS)[2]」の概念を取り入れるなど具体的な改善の試みが行われてきました。その導入状況の確認を行いました。(2)2011311日に発生した東日本大地震後、日本でも災害初動対応の機能強化などソフト分野を含むホリスティックな防災体制の整備が叫ばれている中、その参考になりうる活動の発掘を行いました。詳細は後ほど報告します。


[1] 比国政府の大統領直轄の指揮下の災害対応機関で、被災地にて必要な初動対応を被災した地方自治の首長とともに行う上で、地域にある全ての利用可能な資源を活用し、その総合調整や指揮を行う権限有する機関。

[2]本稿で意味するICSは、全ての即応行動を1つの包括的対応活動としてまとめ1つの指揮下で総合統括調整が災害現場に近い場所で行なわれる体制を示す。よって、被災地が必要としている様々な種類の支援を一括で効率的そして迅速に実施可能とするためにフレームワークとして作られたマネージメントツール、もしくはテンプレートである。ICS体制では、状況に応じ活動自体の内容やICSの実施体制には柔軟性と現場での裁量権を与えるものの、各機関の上位部局が保有する指揮権をある意味災害対策本部に特定なる期間の移譲を促進し、機関ごとの縦割りの縄張りを可能な限り取り除き、被災地にて収集された生の情報によって優先、選別された必要な即応行動をさまざまな機能を有する各種部隊を活用し1つの指揮系統の中で複合的に運用し対応を行うものである。現場で必要とされる各種初動ならびに増強部隊は、所属先に囚われず現場に開設されたコマンド体制下に次々と入り、1人の総括責任者の指揮とのその指揮下で行動する各部門の責任者を通じて各活動が行われる。


(写真:被害を受けた建物の状況 調査時に撮影)(写真:救援物資の配給場所に待つ被災者の方々)
Church structure was destoryed       CIMG6900
     

Community Emergency Management Institute Japan (CEMIJ)

The Community Emergency Management Institute Japan (CEMIJ) was established in December 2012. It is an organization to facilitate community initiatives in emergency management and to help our own communities to be resilient to calamities. It is also a platform for those who are in the field of emergency management to share knowledge, skills, policies, methods and wisdoms that could be used to be better prepared for the future disasters. The office is based in Gunma, Japan; however, it is a network world-wide that partner and participating organizations also function as their own entity.

CEMIJ will conduct various disaster related research and studies in collaboration with academic, non-governmental, governmental, voluntary and professional organizations in the field of emergency management and disaster risk reduction in various countreis where our partner organizations are active. CEMIJ will also implement disaster risk reduction activities based on our research in developing countries to be of help to strengthen their emergency management capabilities.

We work for public purposes as a government approved organization.

Thank you.

Hitoshi IGARASHI,
Manager, International Programs,
CEMIJ
374-1, Shimototsuka, Fujioka City,
Gunma, 375-0012 JAPAN


How to contact us: please click the mail icom placed on the right side of the blog post. Thank you.
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