CEMIJのメンバーは、消防、レスキュー、防災行政、市民ボランティア、国際協力、災害研究、工学など公共の安全(Public Safety)に係る幅広い専門域の現場(フィールド)で実際に活躍(OB/OGを含む)する内外の有志が自由意思で参加し、より良い災害対応のアイディアや英知を世界規模で共有するものです。そして、各地域でそれらのアイディアを応用・活用し災害に強いまちづくりに寄与する公益を目的としています。

この団体を組織化する以前から、各設立委員によりグループ活動が行われて来ました。それらの主な活動を簡単に紹介します。

1)ザンビア国首都圏救急搬送基本システム構築への継続的な協力活動 Continuing Technical Support to the Development of Community Emergency Response System in Lusaka, ZAMBIA
DSCF2770[1]  この活動は、1999年から日本やアメリカの国際協力NGOが支援を行ってきた活動で、2006年から現地の有志や連携しているルサカ県警の警察官だけで運営・管理されている、日本で言うと119救急業務活動です。CEMIJの設立準備メンバーは、2011年から定期的に現地を訪問し、隊員への災害対応方法についてワークショップを実施しています。最近では2012年3月に、団体設立委員会から専門家が派遣されました。同救急業務を管理する機関が、CEMIJのザンビア支部となり、活動を共に行って行きます。また、同国の副大統領府災害対策ユニットとも情報交換を継続していて、同ユニットを通じた減災に関するワークショップの開催を今後検討しています。

2)フィリピン国バコロド市アミティ消防救急救助団 Partnership Programs with the Amity Volunteer Fire Brigade, Bacolod City, PHILIPPINES
  2010年から継続して、協力関係があります。バコロド市(人口約50万)を守るボランティア消防団で、市の常設消防の代替えとして市民有志がこの町を守っています。消防、救急、救助、災害対応まで訓練を受けた団員が24時間体制で活動をしています。アメリカとの技術的連携があり、災害対応に関しては、FEMA(米国緊急事態管理局)などで研修を受けて、フィリピン中央政府から災害時に委嘱され指揮官として機能する役職を有する団員もおり、私たちCEMIJのメンバーも、この団の災害対応手法を研究しています。
 2012年2月には、ネグロス島東岸で発生した地震災害に、CEMIJ設立準備委員を調査に派遣し、災害時の対応手技で欧米では常時使用されているインシデト・コマンド・システム(Incident Command System)の運用状況を検証しました。規模は小規模でしたが、ICSの活用事例がありました。
 また、同年9月には、消防団と政府が協働で運営管理する、Public Safety Academy(公共安全訓練センター)にて、地域を管轄する内務省地方局火災制御ユニットの消防官、消防団幹部、保健省地方病院局職員に対して、緊急車両の安全運行・管理に関するワークショップを実施しました。
 今後、一般市民や学童を対象とした、災害前の準備に関するDisaster Risk Reduction(減災)手法について、消防団やバコロド市災害管理部門と連携して、ワークショップなどの開催を予定しています。公共安全訓練センターは、基礎的な消防救助戦術を学ぶ施設があるので、今後さまざまな研修講座の開設に向けて、協議をしています。同消防団がCEMIJのフィリピン支部となり、今後活動を共にしていきます。

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CEMJのフィリピン連携団体 Amity Vol. Fire Brigade

CEMIJ's partner agency in Phlippines - Amity Vol. Fire Brigade

コンサートでの待機(ボランティア)















3)米国北カリフォルニア州連合災害インシデント・コマンド・コントロール North California Public Safety Mobile Command, Control, Communication Functions, Sacramento, U.S.A.

 カリフォルニCIMG0907ア州緊急事態管理庁(Cal EMA)と同州消防長協会などの災害対応管理関係機関の連合がインシデント・コマンド・コントロール部隊の定期展示訓練を毎年開催しています。同訓練の管理を行う幹事組織の1つである911Magazineと昨年からCEMIJは、協力関係を持っています。アメリカは、災害対応の先進国でもあり、ユニークで斬新な手法を実際に取り入れ、市町村レベルでも精力的に新しい方法が運用されています。これらのアイディアや英知をCEMIJを通じて世界で共有するため(特に発展途上国)、CEMIJではメンバーが定期会合や訓練展示に参加してきました。また、現地では東日本大震災での災害対応などに関するプレゼンも実施してきました。今後、同幹事組織である911Magazine(市町村消防通信指令のOB・OGが集まる情報発信組織)が、CEMIJのパートナー機関として連携協力を行います。そして、アメリカでの各種災害対応手法を気軽に学べるプチ研修なども、同機関を通じて実施できるようにプログラムの開拓を進めています。
(写真出所:911 Magazine USA (CEMIJのアメリカパートナー機関)Copy Right) 

4)カンボジア国災害対応機能強化に関する協力 Technical Support to the Capacity Building of Emergency Response System in Cambodia
 P9120746CEMIJのメンバーは、日本の各種国際協力団体を通じカンボジアへも派遣されている経緯があり、これらの活動の他、現地政府機関からの要望である災害対応機能の強化に関して、技術的な協力を2010年から実施しています。特に、災害が発生した際に即応対応を行う組織において、基礎的な緊急対応に関する仕組みや現場活動に関する特定の訓練や情報の提供を実施しています。
 他の日本の国際協力団体が実施している救急業務の強化などに合わせ、最終的にカンボジア政府がこれらの活動から得た知識やスキルを活用し包括的な緊急対応システムとして発展させることを期待しています。
(写真:プノンペン国際空港での大規模訓練の模様)Phonm Penh Int'l Airport Drill

5)その他の国々における災害対応能力やその仕組みに関する調査・研究 Other International Emergency Management related Studies, Research and Activities
 これまでに、CEMIJのメンバーは、タイ、ラオス、スリランカ、イギリス、ジャマイカ、ブラジル、中国、オーストリアなどの国々で災害対応に関するフィールド活動、調査や研究を実施してきました。各国とも、文化、経済、社会などさまざまな発展の段階にあります。このため、CEMIJは、世界で活用されている災害対応の手法などの情報を相互で交換し、共有することでその国に合った仕組みづくりを応援します。

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